陶器の町 カルタジローネ

午前4時に寝て、6時に起床。日頃の不摂生な生活態度が思わぬところで役に立つ(笑)。
この程度の睡眠時間、連日続くようであれば間違いなく命を落とすが、バスのなかで眠れば
いいや、と思うと、ぜんぜん平気。(とはいえ、バスのなかでももったいなくて眠れないのだけど)

朝食の時間まで外を散歩。曇っていて、なんだかとても寒い。昨日がとても暑かったので、
考えた末に今日は薄着をしてきたのだけれど、これが大失敗。
でも、もう部屋に戻って着替えてくる時間はない。朝食をとってそのまま移動だ。
まあ、どうにかなる・・・シチリアなんだし・・・・・

2時間半のドライブの後、陶器で有名なカルタジローネに到着。

実はこの街は当初の予定には入っていなかった。
そもそも私が偶然購入したイタリア紹介の本とビデオのセットの なかに、この街のことが紹介されていたのだ。
かなり依然からその本を母にみせていたのに、母はあまり 興味を示していなかった。
しかし、今回の旅が決まってから俄然その本のチェックをはじめ(現金!)、
もともと陶器が大好きな母が、陶器でできた階段の写真をみて放っておくはずもなく、
知らない間に旅行会社の人と勝手に交渉して今回の予定のなかに組み入れてしまった。(^-^;

旅行会社の人すら知らなかった街、カルタジローネ。
そこで私達を待っていたのは、昨日までとは打って変わって凍るような寒さと大雨だった。



バスから降りると、身をさすような寒さに襲われた。
吐く息が白いぞ!!これは2月ぐらいの寒さじゃないかっ?!
ガタガタ震えながら、現地ガイドさんに導かれるままにとある公園にいくが、
とても寒すぎて説明なんぞ聞いていられない。あまりの震えように、あるおば様がコートを貸してくださった。

ううっ、こういうときは甘えてしまおう。Iさん、ありがとうございますぅ・・・・・・
それにしても寒すぎるぞ、この街はぁっ!!

それにしても陶器屋さんが本当に多い街だ。
町中のサンフランチェスコ橋もきれいなマジョルカ焼きで装飾されている。
イタリアの町角には珍しくないキリストや聖母マリアの絵も焼き物でできている。
しかしながら、
そんなに有名でもなさそうなこの街に世界中から観光客が 多く訪れるとも思えないし、
当然街の人が買うわけでもない。

本当に これで商売成り立っているのか???(余計なお世話!)
しかしながら 片っ端から入ってゆっくりみてみたいようなお店ばかり。何故ならば
どのお店も専属の作り手がいて店によって微妙にデザインが違うからだ。
そして創っている人自ら店頭にたって商品を売っているので製作者とコミュニケーションもとれる。

とりあえずくだんの本に載っていた陶器の階段「La Scala del Monte」を昇る(145段)。
よくよく見ると、一段一段貼り付けられたとうきのタイルの柄が違うのだ。
おそらく作り手も各タイルによって違っているのだろう。タッチがそれぞれ個性的だし。

ゆっくりひとつひとつ眺めていたいのだが、この街は通過点ゆえ、あまり時間がない。
とりあえず階段の昇りきったところにある教会を目指す。


なんのことはない普通の教会だったが、ふと見ると、女性のミイラが飾られていた。
この街の聖人なのだろう。どこぞの涅槃像のように横向きで頭を手で支えていた。
彼女のガラス張りの棺は壁に埋め込まれた形になっており、その上には彼女のものと

おぼしき歯や骨のかけらがひとつひとつ小さな箱にはいったものが並べて飾られている。
こういうものがあると、そのストーリーをとても知りたくなる。ガイドさんをつかまえようと思ったが
すでにもうどこかにいってしまったうようだ。残念。

教会参拝のあとは、いよいよお買い物ターイム!(^-^)
階段の両側はすべて陶器屋さん!!どこにはいろうかなぁ???
センスが店によって違うし。うるさいおばさまのたくさんいる店は時間がかかりそうだし(笑)。
とりあえずよさそうなお店に入った。めがねをかけたやさしそうな女性の店で、
彼女が全部作ったのだという。デザインも彼女に似た雰囲気でとてもやわらかな感じ。

片言のイタリア語でコミュニケーションをとる。若い女性なので気持ちが通じやすいのか、
とても楽しいときを過ごした。このお店で、大事なお友達に小物入れを買う。
シチリア名産のレモンの柄。この街にくる前から、ここで買う陶器はレモン柄と決めていたので
お目当ての品が見つけられて良かった。気に入ってくれるかなぁ???
とりあえず壊れやすい陶器なので、この先の旅路も全部「手持ち」でいかねば・・・・・・・

階段のふもとにあるレストラン『Trattoria La Scala』でランチをとる。しかし、何度も書くが、今回はどこにいっても
ショートパスタ!そろそろスパゲッティ系のロングパスタ、食べさせてくれ〜・・・・・
しかし、ここででたデザートが、昨日アグリジェントのドライブインで買ったものと同じ!
揚げたお菓子のなかにチーズでつくったくリームがはいってるやつ

ランチの後、再びバスまで戻る。雨は徐々に止み始めているが、一向に青空はみえない。
早足でバスまでの道のりを辿っていると、途中で中学生くらいの団体とすれ違う。
みな、我々をみて口々に「ナカータ!ナカータ!」と嬉しそうに叫ぶ(笑)。
ヒデのパワー、あなどるべからず。ローマに移籍したので距離的に近いシチリアの人にも
人気があるのかしらん?まあ修学旅行の生徒だからシチリアの人ではない可能性も
高いけど(^-^;

この時期は、イタリアは修学旅行の時期だそうな。どうりで行く先々で子供たちの団体に遭遇する。
みな陽気で明るく、ベトナム人か中国人あたりと間違ってるらしく、胸の前で手を合わせて
お辞儀をするのには参った(笑)。なかには「中国!」とイタリア語で叫ぶ奴もいる。
違うっちゅーの・・・・・・。ヒデよ、もうちょっと日本の宣伝もしてねん♪

寒い外から暖かいバスへ戻る。ふぅっ・・・・
バスは一路、お待ちかねのタオルミーナへ。 いよいよこの旅も佳境にさしかかってきた。
私の今回の旅の一番の目的、それはタオルミーナで『SAN DOMENICO PALACE HOTEL』に
泊まることだった。

そう、知る人ぞ知る、かの『グランブルー』の舞台となった、元修道院の5つ星のホテル。
映画ファンならずとも、シチリアに行ったらぜひもので泊まりたいホテルのひとつである。

ホテルの入り口には葉っぱで思いっきり飾り付けがしてある。これも復活祭前の「枝の主日」のなごり。
日本の宿がお正月にお飾りをつけるようなものだと思う。
よくみると小さいひよこのおもちゃまでぶら下がっていたりするのが可笑しい(笑)。

ホテルのなかにはいって、チェックインの間あたりをブラブラする。
おばさまたちはこのホテルの価値をわかっていないご様子。( ̄ー ̄)ニヤリッ
ひとりで早速本当の中庭へはやる気持ちを抑えて進んでいくと・・・・・・
(その中庭では表彰式のシーンとか、かなりいろんな場面で登場するのだ)

ガーン!!( ̄□ ̄;)!!

信じられないことに、工事中であった・・・・・(・_・、)
ま、こういうこともあるよね・・・またくればいいし・・・・・・(とほほ)。

あまりのショックに動揺を隠し切れない私であったが、とりあえず次の望み、お部屋に期待することにした。



とりあえず部屋は合格。V(^0^)
他の二人部屋と違い、シングルのこの部屋はまさにかつて修道女達が一晩中神に祈りを捧げたような
落ち着きのある(夜はちょっと怖いかも(・・;))お部屋でした。
部屋の外は広くて長くて天井の高い廊下が続き、まるで牢獄のような・・・・・(笑)

各部屋のドアの上にはシスターの絵が描かれており、本当にここがかつて修道院だったことが
十分偲ばれる。部屋のなかのかぐはすべてアンティーク。電話とTVだけが浮いてみえる。
そして一番の脅威はバスルーム。まさに「隣の部屋」と呼ぶにふさわしい大きさ!
ベッドルームと同じくらいの大きさである。ちなみに隣の部屋のバスルームはそうではなかった。
シスターのなかでも偉い人が住んでいたのか?!とにかく広すぎて返って寒々しい(^-^;

夕食はホテルで。そもそもこのホテルも我々母子が旅行会社に勝手にオネガイした代物。
ホテル側が宿泊させる条件に「夕食はホテル内のレストランで」とあったらしい。
今までの旅の経験からいって、ホテルの食事のほうがよさそう(^-^;

案の定、ちゃんとしたコース料理で、オードブルの生ハムからデザートまで満足のいくものだった。
ここでもショートパスタがでたのには閉口したけど、まあお上品な味で美味しかったから許そう。

そしてハプニングはここでも起きた(笑)。
食事中に隣のバーからピアノの曲が流れてきていた。日本の曲も流れてくる。
こういう名門ホテルではたまにこういうことがある。かつて香港に旅したとき、とある超一流ホテルで
アフタヌーンティーをしゃれこんでいたところ、そこにいた我々日本人のために突然「さくらさくら」が
生ピアノ演奏で流れてきたのだ。最初は気付かなかった我々も途中で気付いていたく感動したものだ。
日本はサービス王国といっても、こういう心遣いはできないんだよね(ーー;)

で、話をもとにもどそう。
とにもかくにも、また例のごとく、先生は「じゃ、歌ってこい」と叫んだ。当然、ここはレストランのため

全員でコーラスをする訳にはいかない。 先生に個人的に声楽を習っている二名が渋々(笑)
ピアノ引きのところにいった。ちょうど我々の席からは死角になっているため、姿はみえないが、
しばらくして女性の歌声がピアノの調べとともに聞こえてきた。「ハバネラ」という曲で、イタリアの曲らしい。
何曲か歌い終わったところでバーに様子をうかがいにいくと、ピアノのそばではずかしそうに歌っている(笑)。
で、横でピアノを弾いている人は・・・・・な、なんと!!( ゚o゚)ハッ
あの『グランブルー』にも早くだが出演していた、このホテルのオーナーその人であった。
私は映画スターに会ったような気分であったが、歌ってる本人は気付いているのだろうか???

(後日談:同行した旅行会社のツアコンの男性は、このおじいさんを只の<雇われピアノ弾き>だと信じ、
「ねえ、おじさん、『ハバネラ』弾ける?」な〜んて軽々しく聞いちゃってたのだとか(^_^; アハハ…
タオルミーナを離れた後に事実を知って青くなっていた彼でした(笑))

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