グランブルー

タオルミーナの朝を迎えた。修道院の朝、というのはこんな感じだろうか?
アンティークの質素なベッドに、やわらかすぎるマットレス。肌ざわりのいい上質なリネン類。
窓の外から聞こえる小鳥のさえずりで嫌でも自然に目が覚める。
窓をあけると、風にのって強い花の香りがパーっと部屋中にすべりこんでくる。
部屋の窓の前にちょうどオレンジの木が生えていてこの香りは どうやらその香りらしい。
キンモクセイに似た、香水にしたくなるような香りだ。更に香りを楽しもうと窓から上半身を
つきだそうとすると、眼下に広がるお花畑に気がついた。私の部屋(2階)の下は、
このホテルの中庭にあたっていて、 ガーデニング好きの人がみたら歓喜の声を
上げてしまいそうなとても豪華できれいなお庭が広がっていた。
そしてそのはるか向こうには、真っ青なイオニア海が広がっている。
まだ姿を見せないエトナ火山も、 おそらくこの庭のどこかから眺望できるのだろう。
私はもう一度思い切り伸びをしながら、身体一杯にオレンジの花の香りを吸い込んだ。
毎朝この香りがかげるシチリアの人々はなんて幸せなんだろう・・・・・・・



奥のほうにエトナ火山の裾野がチラリ

 

私はホテルの朝食が大好きだ。
ハワイでコンドミニアムに泊まっていても、朝食だけはホテルに食べにいきたい。
軽井沢にいるときも、早起きしてでも朝食のおいしいホテルまで車を走らせて食べに行く。
私にとっておいしいホテルの朝食とは、パンが美味しかったり、ソーセージが美味しかったり、
ジュースが新鮮 だったり・・・ということ。納豆と干物とお味噌汁の朝食も大好きだが、
それはどうにか自分で作れる。
しかし、納得のいくポーチドエッグ(←これは私の定番)やアメリカンソーセージが食せるホテル、
というのは
そうそうないのだ。 まあ、イタリアのホテルにこれを要求する、というのは無理。
いくら五つ星ホテルといえども、 なかなかそうはいかない。

イタリアの朝食の定番は、周りが硬くて中がやわらかいパンと、コーヒー(カプチーノ)。
ちょっと豪華になると それにサラミや生ハム、フルーツ、そしてチーズがつく。
今回の旅はグレードの高いホテルをチョイスしているので、大抵このセットだ。

サンドメニコパレスも五つ星ホテルなので、ちょっと期待した。で、食べ過ぎた(笑)
シチリア名産のブラッドオレンジジュース(血のように果肉が赤いオレンジです)が特に美味でした。

午前中はタオルミーナ市内見学。海沿いからそそり立つ崖っぷちに広がる小さな街。
道端にぽつんとたつ小さな教会でも、なんとなく赴きがある。

タオルミーナという街はそもそも断崖絶壁に沿って出来あがった街である。
イオニア海に面した標高400メートルちかいモンテ・タウロの中腹にはりつくように発達している。
我々は昨日大型バスで海沿いの道を走ってきたあとは、つづら折りのいろは坂のような
急カーブを上りきり、 途中からはマイクロバスに分乗してこの街までやってきたのである。
イタリアの小さな車が活躍するのはまさにこういう街でかもしれない。

ホテルをでて、狭い路地を車とギリギリの狭さですれ違いながら坂道を登っていく。
賑やかな店を両側に冷やかしながら、やがて突然目の前が開け、おおきな海に望む。
4月9日広場」とよばれるこの広場は住民たちの溜まり場となっているようで真ん中に
瀟洒な教会があり、反対側にはてすりの向こうに産みとエトナ山が一望できる。
この時はあいにく曇っていてエトナ山の勇姿を拝むことはできなかったが、
天気のいい日にはさぞや絶景が広がることであろう。
広場にはカフェがテーブルを並べ、世界中どこにでもいる似顔絵描きが客に媚びを売る。
イタリアのどこにでもみかけるようなPiazza(広場)の光景だが、不思議と日本人は
我々しかいない。まあ、このおばさまパワーをもってすれば、もう十分なのだが(^_^;)

買い物は後回し、とガイドさんに言われ、後ろ髪を引かれながらも観光は続く。
広間のすぐ側に、ユダヤの印を壁に刻んだ家がある。普通ならこのようなものは破壊され
現存しないはずなのだが、シチリアの人々はユダヤにも寛大で、逆に歴史の証として
これを未来永劫残していこう、と話し合ったということで残っているのだ、と
地元民のガイドさんは誇らしげに熱く語っていた。
多少眉唾ものだとは思うが、あまり小さいことにこだわらない(イタリア人はそういうキャラだけど特に)
シチリアの人々の性格を垣間みれたような気がした。

しばらくいくと、ドゥオモにはいる。(ぐぇ・・・・ま、まさか・・・・)そう、そのまさか。
おばさま達はまた歌った。アベマリア。もう何回めだろう???だんだん慣れてきたよ・・・・(^-^;
今回は教会が本当に小さかったので他にお客はいなかったし。でも外には丸聞こえだったんだろうな。

しばらく歩くと、突然人通りが多くなった。修学旅行生も倍以上増えているような気がする。
タオルミーナの一番の観光スポット、「ギリシア劇場
だ。


ここも絶景中の絶景。海のうえにつきでた崖の上にあり、遠くにエトナ山を頂く。
ローマやベローナの劇場よろしく、ここでもかつては人とライオンの命をかけた戦いなどが
繰り広げられたらしい。そして今でも時々、音楽祭などが開かれるらそうだ。
ああ、ここでも歌わせたいんだろうな、先生は・・・・・(^_^;)
(後日、先生のお話では、やっぱりここで一番合唱したかったんだって。あ〜、アブナカッタ・・・)
それにしても崖の下の海から吹き上がってくる潮風がなんと心地よいことか・・・・
相変わらず修学旅行生のお子様どもに「ナカーター!」といわれること以外は本当に落ち着く。
エトナ山がまだはっきりとその姿をあらわないのは非常に残念だが、明日まであるし、
帰るまでにはどうにか拝めるだろう。だって今年の私はツイテるんだから(^0^*オッホホ

 

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