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三都物語ミステリーツアー『最終章』
1999年12月3日(金)

いよいよ今日はミステリーツアー最終日。
明日は朝から学校があるので今晩には帰京せねば。
そういえば、やっと昨晩家から電話があった。
「で、いつ帰ってくるの?」そっか、一応心配してたんだ。
「明日には帰る、明後日学校だし。」「あ、そう。じゃあね。」
相変わらずやりたい放題の娘だわっと怒ってる感じが受話器の向こうから感じられる。(^-^;
ま、いいではないですか、別に人の道にはずれたことしてるわけじゃなし・・・。

ホテルの1階の喫茶店でコンチネンタルB.F.をとりながら、本日の計画を練る。
突然、携帯電話禁止のはずの店内でけたたましい携帯着メロがなり、斜め前の席の老人がでる。
当然席を立つと思いきや、そのまま席で話しつづける。仕事の話のようなので仕方がない、と
耐えていると、ひとたび電話が終わったあとも、今度はおおきな電話帳を開いて
自分からいろんな人にかけまくっている。しかも、その声がめちゃくちゃデカイ!!
商談内容丸聞こえ。ええんかい、オッチャン、金額まで聞こえてるで・・・(^-^;
しかも、取引先名まで。かつての自分の職場の名前がでてギクリ。
そーいや、こういうオッチャンが当時の取引先にぎょうさんおったなぁ〜。
・・・・って、そういう場合じゃないっ!今日の予定を決めなければっ!

結局、行きに東京駅で買った雑誌にのってた鈴虫寺(華厳寺)へ。
なんのことはない、ただ鈴虫をいっぱい飼っていて、それがリンリン鳴いてるだけなんだけど(笑)、
意外にも紅葉がとても綺麗だった。しかも高台にあるので眺望もすばらしい。
一回いけばもういいかな?(笑)でも、紅葉は綺麗です。(しつこいっちゅーの!)

鈴虫寺を後にして、歩きながら次の目的地を探す。
全くもってミステリーツアーだ。自分が行き先わからないツアーなんて・・・・・(笑)。
道にさえ迷わなければ(笑)、こういう知らない道を歩くのはとても楽しい。
多分料亭かなにかなのだろう、右側に風流な竹でできた塀の道が続き、その先にはまた紅葉。
嵯峨野や嵐山にはありそうな道ではあるが、ここはひとっこひとりいない。
こんな風景にひとりだけで遭遇しただけでも、ちょっと得した気分になれる。

鈴虫寺から嵐山の渡月橋へ。
相変わらず観光客でごった返し、わさわさしていて、あまり好きではない。
でも、ここまでこないと電車に乗れないので仕方がない。
一時期のタレントショップ群は一個所に小さくまとまって多少美観がよくなったが、
今度は美空ひばり記念館なるものがドドーンとできてしまって、オバサマ軍団が殺到!
なんで古都・京都に芸能人を求める奴がいるのか・・・・太秦だけでよいのに。
そういうところが、イタリアに負けてるのだよ。世界を相手にできない、哀しい日本人像。

ここからどうしようか、と嵐山駅前で迷ってしまった。
夕方までに東京に帰るのなら、あまりもう時間はない。
ふと目の前の天龍寺に「世界文化遺産」の文字が・・・。えっ、そうだったの??
世界文化遺産、この文字に弱い。日本のなかのは大体制覇していて、あとは白川郷等数箇所なのだ。
まあ、京都はいっぱいあるけど、ここもそうだっけ??何度かきてるんだけど・・・
時間ないし、ま、いいか。あの大きな達磨図を拝んで東京に帰るとしますか。

人の流れにのってとりあえず本堂へ。
本堂入り口で達磨様にご挨拶後、まっすぐお庭へと向かう。
観光客の邪魔にならない場所を探し、廊下に座ってしばしお庭を鑑賞する。
京都で一番幸せなひととき。鎌倉のお寺じゃだめなんだよなー、なぜか。
私のそばを行き交う人はたくさんいるけど、そこに座ってじっとしてるだけで、
もう周りのことはなにも気にならず、心底ぼーっとできてしまう。
一種の非日常世界へのトランス状態に近いかも(笑)。
お寺に宗教的な意味合いは全く期待していないので、一幅の絵を美術館に見に来てるのと同じ。
風はかなり冷たく、京都の冬を感じずにはいられないのだけど、
なかなかその場を立ち去ることができない。お腹も空いてるし、お食事所を考えねば。

このあたりは湯豆腐が有名だけど、昨晩食べちゃったしなぁ・・と、しばし思案していると
ふと本堂の一室で精進料理らしきものを召し上がってる集団発見!
「団体ツアーかなにかよねぇ、あれ?」と隣のおばさんが残念そうにつぶやいて去っていく。
『世界文化遺産のお庭をみながら精進料理をいただくツアー』かなにかなのだろう。
へぇ〜、と思いながら本堂の入り口で靴を履こうとすると、なにやら受け付けのようなものを発見。
入ってくる時には死角になっていて気づかない場所にあるのだが、どうやらお食事の受付らしい。
慌てて近寄ってみると、本当にそうだった。入り口から死角になってて(本堂にはいるとみな左へ
進むのだが、その受付口は反対の右側にある。)、誰も気づく人はいない。
それこそガイドブックでも熟読してこないと、私のようなふらっときたような奴は普通気づかない。

ラッキー!早速申し込みをして、先ほど団体ツアー客だと勘違いしてた人たちの末席に座る。
お料理はおいしかったです。お値段はしっかり「京都価格」でしたが・・・(^-^;
きれいなお庭を見ながら食べられるので、まあよしとしましょう。
変なお店で高くてまずいもの食べるよりは全然いいです。これはお勧めかも。

お腹もいっぱい、心も満腹状態で、天龍寺を後にした。
ホテルに直行し、荷物をとり、駅に向かう。残り時間はあとわずか。
『森嘉』のひろうす買ってないし、『わらじや』のうぞうすい食べてないし、
錦で『有次』のぞいてないし、祇園の『ようじや』で油取紙も買ってない。
いつもの旅とは全く違う、今回の旅。それもまたよし!
自分へのお土産は、今回はなにも買わないでおこう。そう、思い出だけ残ればいい。

日常を脱して非日常の世界へ旅する。それは紛れもなく、日常へ回帰するための心の旅。
非日常に身を置くことにより、自分の日常とは何たるかを再認識したかった自分の発見。
どのような状況下においても自分を見失うことなく、自分なりの日常を守っていくことこそ、
非日常を楽しめる余裕も出来うるということ。
今回のミステリーツアーは、そんな答えを見つけることが最終ゴールだった気がしてます。
みなさんもたまには、こんなミステリーツアー、いかがですか?

えっ、なんで神戸と京都だけなのに「三都物語」かって?
だってぇ、行きに新大阪で降りたじゃぁん・・・・・(^-^;>"
お後がよろしいようで・・・・・・・(テケテンテン♪)

〜完〜

     

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